映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

ヘイトフル・エイト:ミステリ感のまったくない、やや冗長ないつものタランティーノ映画

f:id:hate_miyo:20151230170610j:plain

ヘイトフル・エイト(原題:the hateful eight)は、クエンティン・タランティーノ監督、サミュエル・L・ジャクソン主演のミステリ風西部劇である。

ちなみに”「密室」ミステリー”とあるが、確かに閉じ込められてはいるものの別にミステリーというわけではない、もし仮にそうだとしたら”ドアのカギが壊れて板で打ち付けてある密室”という結構斬新な密室ミステリと言えただろう。

「ヘイトフル・エイト」のあらすじ

南北戦争直後を舞台にした本作「ヘイトフル・エイト」は4章にわかれており、賞金を懸けられた殺人犯デイジー・ドメルグの護送中に嵐に遭ってしまい、駅馬車の停留所として使用されているミニーの紳士服装飾店に向かうが、そこにはデイジーの奪還を狙う人間がいることを察知し、嵐で閉ざされた店内での犯人探しが始まる…

という感じの物語で、カート・ラッセルサミュエル・L・ジャクソンなどのいつものタランティーノ映画俳優が揃ったいつものタランティーノ映画である。

いつものタランティーノ映画

イングロリアス・バスターズ」「ジャンゴ 繋がれざる者」など近年では徐々に若干普通っぽい映画にシフトしていたタランティーノだが、今作はいつものタランティーノ映画で、前半ではひたすら無意味に細かくて長々しい上に映画の内容にイチイチ絡んでくるといういつもの感じのセリフが連発され、そのせいで上映時間が167分もある。

「ヘイトフル・エイト」は登場人物が多めの映画なので、この執拗な感じが各キャラクターを掴みやすくしているという効果も発揮しているが、全体のバランスを破壊するくらいの密度でセリフが展開されているため、いつものように冗長である。

70mmフィルムによる撮影について

「ヘイトフル・エイト」は70mmフィルムで撮影されていて、アスペクト比が2.76:1という恐るべきワイドな画面で上映されているのが特徴のひとつで、これは単に横に長いというよりも「情報量が多い」というのが正しくて画面の手前で物語が進行しているその後ろの方でも登場人物が何かしてたりするという感じの状態で映画が進行していく。

ちなみに私は個人的には映画を普通よりも「ちょっと前の席」で観て映画館ならではの迫力を体験するのを好んでいるんですが、この「ヘイトフル・エイト」の場合は画面が横長で情報量が多いために確実に画面が観にくいポジションなので、通常よりも後ろ側の座席で鑑賞するのがおすすめ。

ミステリは要素なし!

一応それらしい理由づけにより犯人捜しは進行していくのだが、事前に犯人探しに必要な情報が観る側にまったく提供されていない状態で犯人を暴いていくというスタイルなので、ミステリ要素は雰囲気レベルでほとんどないと思って間違いない。 

さらに言うといつものごとく流血が過剰である、「ジャンゴ 繋がれざる者」が大丈夫な人なら大丈夫という意見もあるが、明らかにジャンゴよりも過剰だと個人的には感じたが、それもまたいつものことである。

つまりいつものタランティーノ映画である

「ヘイトフル・エイト」では前半はいつものようなセリフ劇で後半は一転してテンポよく謎あかしとアクションを挟んでエンディングを迎えるのだが、前述のとおり前半部の例のダラダラした感じのセリフのシーンが続き、「レザボア・ドッグス」や「パルプ・フィクション」などと比較しても明らかにテンポが悪くバランスの悪さを感じる。

…感じるのだが、それがまたタランティーノ映画の最大の魅力でもあるので、全然万人にはおすすめできないもののタランティーノ映画好きにはひさびさに濃度の高いタランティーノ映画といえるのでおススメである。

個人的にはさすがに冗長すぎるなと思うけれど。

gaga.ne.jp

広告を非表示にする