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映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

マッドマックス 怒りのデス・ロード:脳髄を直撃する最強のドラッグムービー

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マッドマックス 怒りのデス・ロード」(原題:Mad Max:Fury Road)は、ジョージ・ミラー監督、トム・ハーディ主演によるマッドマックスシリーズの4作目であり、「マッドマックス/サンダードーム」から27年ぶりに作られた新作にあたる。

マッドマックス」という伝説的カルト映画

マッドマックス」とは、そもそも荒々しさと過剰なアクションが人気*1となった低予算で作られたカルトムービー*2であり、その独創的な世界観は熱狂的なファンを生むと共に、多方面に影響を与えた。*3

超難航する製作

マッドマックス 怒りのデス・ロード」は2001年にメル・ギブソン主演で撮影を開始したが、911同時多発テロのため撮影が中断。

2003年に再度撮影にとりかかるものの今度はイラク戦争で大型車両の輸送に規制がかかってしまった上にオーストラリアドルの高騰により撮影を中断、なおこの時点ではマックスの息子としてヒース・レジャーが出演予定だったようだ。

繰り返される撮影延期によりメル・ギブソンが降板、ヒース・レジャーも夭逝してしまったため、2011年からヒース・レジャーの代役としてトム・ハーディを据えてオーストラリアで撮影を開始する予定・・・

だったものの、砂漠で撮影をするつもりが記録的な大雨でロケ地が緑化してしまい、2012年から代替地のナミビアで撮影を行って完成されたという、製作に10年以上かけた超難産の作品である。

漂う一抹の不安

つまり本作「マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、”大予算で20年ぶりに製作された熱狂的ファンを持つ低予算カルト映画の続編”で、おまけに製作が難航して何回も話が立ち消えになりそうになった・・・

という、スマッシュヒットしたカルト映画の続編としては良く聞く感じの内容であり、映画ファンはこの手の内容で魅力を完全にスポイルされた大作映画に何度も苦汁を飲まされているはずでもある。

もはや凄すぎて何が凄いのか解らない

しかしながら、その不安は杞憂に終わる・・・というかこれほど心配が完全に杞憂に終わった作品を他に知らない。

序盤からジョージ・ミラーのイマジネーションを具現化した凄まじい映像と、情け容赦のないアクション・世界観に圧倒される、このCG全盛の現代でこれほど観る者に衝撃を与える映像を120分間連発するという狂気は、もはや映画という表現方法をとったドラッグに近い。

とにかく映画を構成する全ての要素が尋常でない完成度で、しかもそれが全く休むことなく超高濃度で連発されるため、もはや「凄いのは解るが、何が凄いのか解らん!」という状況で、我々の想像する「凄い」を遥かに超えて来てる「凄い」なのだ。

ちなみに信じがたいことに、この映画のアクションは8割方スタントによる実写である。

計算されつくした狂気

マッドマックス 怒りのデス・ロード」は、その世界観や設定の異常さや、完全に行き過ぎたビジュアルで煙に巻かれてはいるものの、ほとんどセリフが無い上に激しいアクションが繰り返されるにも関わらず、整理されたシナリオと構図でまったく混乱無く鑑賞することができるようになっており、ただ単に金をかけた大作でも、勢いで押し切るような作品でもない。

これは圧倒的なイマジネーションと映像と音楽と世界観で観る者を圧倒するという、極めて直球でクラシカルでオーソドックスな映画であり、そしてその結果成し遂げられたのは原初的で普遍的な映画体験であり、映画というメディアがもっていた根源的な面白さであり喜びを体感できる作品だ。

wwws.warnerbros.co.jp

*1:ちなみに日本公開時に好評だったことが世界公開のきっかけだった

*2:ブレア・ウィッチ・プロジェクト」に抜かれるまで20年間「制作費と興行収入の差が最も大きい映画」としてギネスブックに掲載されていた

*3:北斗の拳」などが代表的

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