映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分:インディーズっぽい発想は凄くいいのだが、練りこみ不足を感じる

f:id:hate_miyo:20150721002556j:plain

「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(原題:Locke)はスティーヴン・ナイト監督・脚本、トム・ハーディ主演による、高速道路で目的地まで到着するまでを描いた密室劇である。

低予算映画ならではの実験的手法

本作「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」は、高速道路を走る自動車の中で、主人公がひたすらいろんなところに電話をかけて、物語が進行していくというシチュエーションの密室劇になっていて、自動車が目的地に着くまでの約90分がそのまま映画になっている。

もはやトム・ハーディといえば完全に「マッドマックス 怒りのデス・ロード」なわけだが、本作「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」では主演というか、実質的にトム・ハーディ演じるアイヴァン・ロックしか登場せず、物語は高速を移動中の自動車の車内でのみ進行していくという実験的な内容。

とにかく主人公のアイヴァンが自動車を運転中に電話をしまくったり、ひたすら電話がかかってきたりしまくるので、いつか事故るんじゃ無いかと無駄に心配になる。

個人的には低予算映画の醍醐味である”お金は無いけどアイデアで勝負する”というこの姿勢は高評価だ。

どう考えても共感できない主人公

そう思って映画を見始めると開始してしばらくしてわかるのは、劇中でアイヴァンが解決すべき問題は「明日の早朝に行われる工事をどうするか」ということと「妊娠した浮気相手をどうするか」という2点なのだが、どちらも完璧に一方的にアイヴァンが悪くって自業自得なだけの話なので、あまり主人公に共感できない。

シチュエーションを生かせているのか疑問

これは企画段階から解っていたことだと思うが、本作「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」は、ストーリーが深夜の高速道路を走る自動車の中でしか進行しないため、画面に変化がほとんどないという弱点がある。

また、そのシチュエーションのために主人公がとりうる手段や、発生するイベントがかなり制限されるという欠点があるが、それらは最初からわかっていることなので、これをいかに脚本や演出でカバーしていくかというところが、「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」の注目すべきポイントになる。

と思うのだが、それらに対してほとんど回避作が講じられておらず、画面はやはりほとんど変化がないままだし、電話のやり取り以外のイベントは一切発生しない。

その結果、アイデアは面白いしトム・ハーディも好演しているのだが、その実験的なシチュエーションの欠点がそのまま出てしまう結果となってしまっており、明らかに欠点やデメリットをはらんだアイデアを採用しておきながら、脚本や演出の練りこみが足りないのではないかと思わざるを得なかった。 

www.onthehighway.net

広告を非表示にする