映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

龍三と七人の子分たち:ファミリー向けに振り切った北野映画臭の無い北野映画

f:id:hate_miyo:20141203181318j:plain

「龍三と七人の子分たち」は北野武監督、藤竜也主演のコメディ映画であり、北野武監督作品としては17作目の作品である。

北野映画というと今更わざわざ説明するまでもないが、初期作品において凄まじい傑作を連発しており、極端に説明を排除したミニマルな構成が特徴で明らかに通常の映画とは異なる文法で展開されるために、人によっては非常に観難いという印象も抱かれがちである。

しかしながら監督のキャリアが長くなるほどに、明らかに説明的なカットやセリフが増え始め、17作目にあたる「龍三と七人の子分たち」では、コメディ映画でエンタメ方向に完全に振り切ってしまっているという作品の方向性もあいまって、もはやそういった特徴は消えうせており、普通の映画だと思って差し支えない。

コメディ映画としては普通に笑える

さてその内容についてだが、主人公たちが出会う悪事に毎回必ず敵役である”京浜連合”が関わってるとか、物語の展開がやたらと都合がよくて荒々しいという欠点はあるにせよ、さすがにコメディ部分はかなり笑えるのは確か。

北野映画とは思えないほどの”くどさ”と”しつこさ”

ただし分かりやすさを重視しすぎた結果か、かなりの”しつこさ”を感じさせるのも確かで、例えば孫が飼ってた文鳥を焼き鳥にして食べてしまうシーンなどセリフが出るよりも先に劇場では笑いが起きていた。

また同様に”早撃ちのマック”が京浜連合という若手の詐欺集団の事務所で仁義を切るシーンでは、あたかもテレビの漫才のようにやたらと高速でイチイチ仁義の内容に突っ込みを入れていくのだが、映画でこの演出はもはや不愉快で、やはりテレビと映画は時間の流れの感覚が違うんだなと改めて思ったりした。

北野映画を期待しないなら良し

そういうわけで「龍三と七人の子分たち」は、確かに北野映画としてはエンタメに振り切りすぎていて無個性で物足りないのではあるが、過去の北野映画の傑作の数々がハードルを無駄に上げてしまっているという事実も否定できない。

そして本作「龍三と七人の子分たち」だけを単品として取り出せば、物凄く普通でストレートなコメディ映画なので、GWにちょっと映画を観にいくという感じの人には比較的オススメ*1ではある。

www.ryuzo7.jp

*1:北野映画は傑作揃いなのだが他人には薦め難いのも事実なので、わりと貴重な作品ではある

広告を非表示にする