映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

フューリー:戦車兵はリアルだけど戦争はそうでもない

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映画「フューリー」のジャパンプレミアに行ってきました。

よく「”先行上映会”とか”プレミア試写会”とかのチケットって、どうやったら取れるんですか?」というようなことを聞かれるんだけれども、普通に買えます。

お目当ての映画や俳優さんの公式TwitterとかFacebookなどをフォローしてると情報が来ると思うので、狙いを定めてひたすら粘着してください。

ちなみに今回の「フューリー」のジャパンプレミアに関しては、主演のブラッド・ピットが上映前に挨拶に来るということで、生でブラピが見れる貴重な機会!

にも関わらずそれほど競争率が高いということもなくて、ブラピ目当てで最前列を取りたい!というのでなければ普通にチケットは取れたようです。

監督「デビッド・エアー」

本作「フューリー」の監督デビッド・エアーは、「エンド・オブ・ウオッチ」「トレーニングデイ」「バッド・タイム」「S.W.A.T.」など、警官物の名作を連発していて、こういったジャンルが好きならば確実に注目すべき監督。

そのデビッド・エアーが、第二次世界大戦の戦車戦を超リアルに描いた!というのが本作「フューリー」の触れ込みの一つで、あのプライベート・ライアンをも超えるリアルさだとか!

これは非常にヤバそう、デビッドが出来る子なのは解ってるし、今まではやたら治安の悪いスラムに勤務する警官止まりだったけど、今回は第二次世界大戦で戦車だしね。

戦車が本物

「フューリー」はある戦車兵の1日を描いた作品で、主役側はアメリカ軍の「シャーマン戦車」敵がドイツ軍で「ティーガー戦車」を操るが、そもそも今まで戦車戦をメインに描いた戦争映画というのがまず珍しい。

イスラエル、フランス、ドイツ合作の戦車の主観映像で描かれる「レバノン」とか、「レッド・アフガン」くらいしかパッと考えても出てこない。

それが「フューリー」は戦車戦があって、しかも敵側の戦車はイギリスの戦車博物館にある現在世界で唯一稼働する本物の「ティーガー戦車」を使ってるという、それだけでも価値がある映像。

ティガー戦車が高性能過ぎる

さらにアメリカの「シャーマン戦車」は、大量生産して物量で押せばOKといういかにもアメリカ的な戦車。

対するドイツの「ティーガー戦車」は高性能だけども生産数が少ないという職人的な戦車で、その戦力差は1台のティーガー戦車を倒すのにシャーマン戦車が4〜5台必要という、ちょっとこんなんと戦争してる場合じゃない性能差。

実際にここら辺は映画でも再現されていて、この圧倒的な性能差をどう覆すのかも見どころだ。

「フューリー」の感想

総評としては「フューリー」は全然ダメな映画ではないのだが、戦車戦以外の魅力に関しては過去の戦争映画、特に「プライベート・ライアン」と比較して魅力に欠けると感じた。

魅力に欠ける理由はいくつかあるが、まず演出が全体的にマズイ。

前述の通り監督のデビッド・エアーは警官物の名作を連発している監督なのだが、なぜか今作「フューリー」では仲間が戦死するシーンであからさまに感動的な音楽が突然流れだすとか、えらいベタベタな演出がなされていて、これが本当にデビッド・エアー監督作かとビックリする。*1

他にも例えばティーガー戦車との戦闘が一度あるのだが、それ以前に映画内ではティーガー戦車についてほとんど触れられないので、その圧倒的な性能差というものが観客には伝わっていない。

ここで事前にティーガー戦車の強さを思いっきり描いておくとか、もしくは逆にシャーマン戦車の無敵ぶりを描いておいて、それがティーガー戦車には全く通用しないということを表現することによってティーガーとの遭遇時の主人公達の絶望感を観客にも共有できるようにしておくとかしておいた方が、ティーガーを倒した時のカタルシスが得られて良いと思うのだが…

更にコレは良し悪しなのだが、戦闘をリアルに描いてしまった結果、湾岸戦争のニュース映像のように緑の曳光弾が飛び交うなど、まるでスター・ウォーズの戦闘シーンのようになってしまい、むしろ映画としてのリアリティが薄くなってしまっている。

「戦車兵」はリアルだけど「戦争」はリアルなのか?

また「フューリー」では徹底して敵のドイツ兵を単なる敵、単に悪いヤツとしてしか扱わないという近年の戦争映画では珍しい作品で、実際にアメリカ兵からするとそうとしか見えないのだろうからリアリティがあるとも言えなくはないが、それにより”戦争を描いている”というリアリティに関しては薄まってしまっている。

加えて、戦争映画としては意外に人が死ぬところをストレートに描いてないというか、悲惨な死に様があまり見られないのがそこに拍車をかけてしまっているように思えた。

例えば仲良くなった民間人女性の死に様とか不自然なほどのキレイさで、逆にビックリする。

戦車戦は抜群にいい

じゃあダメな作品なのかというと当然そんなことはなくて、ウリである本物のティーガー戦車との戦車戦はやはり素晴らしくて、こういうちゃんとした戦車戦を描いた映画というのはあまりないと思う。

他にも戦車で塹壕にいる敵兵を轢き殺すとか、操縦手のゴルドが手榴弾を抱え込んで戦死するとか良いシーンもあったりする。

前述の不満点に関してもそれは正直、許容範囲という感じもしていて、そこが「フューリー」を一概にダメだと言い難い理由であるのだが、やはり戦争映画というものは過去に優れた作品が複数存在しているジャンルであり、特に意識しなくてもそれらと比較されるのは避けられず、それを踏まえて若干厳しい感じの評価になってしまった。

 

映画『フューリー』公式サイト

*1:同時期に公開されている「サボタージュ」もなんかそんな感じらしいのだが大丈夫か

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