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映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

オール・ユー・ニード・イズ・キル:複雑なシナリオを手堅くまとめたスキの無い佳作

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別に知らなくてもいい情報だが、本作「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の原題は劇場公開時は「Edge of Tommorow」だったが、なぜか後にDVD化するにあたって「Live Die Repeat」に改題された。*1

日本原作だが、原作は無視していい

オール・ユー・ニード・イズ・キル」は桜坂洋による同名の日本のライトノベル*2を原作としているが、タイムループものという話の骨格の方を中心に再構成した感じになっているので、あまり原作は気にしなくていい。

逆に言うと、タイムループという過去に何度も映画化されてきた設定*3であるため、クラシックな印象すら受ける普通のSF映画という感じになってしまっていて、日本のライトノベル原作という意味ではちょっと肩透かしをくらってしまった。

完全にコメディとなっている前半

トム・クルーズ主演のSF映画ということで、画面的にも「オブリビオン」を連想させるが、この「オール・ユー・ニード・イズ・キル」もSFアクション大作といえばまったくその通り。

・・・なんだけれども、前半はなんとしても戦場に行きたくないヘタレなトム・クルーズ演じる主人公のケイジがなんとか逃れようとするが、イチイチ裏目に出るという完全にコメディになっていて、ここに限らず全体的に凄いテンポがいい。

このケイジがとある理由で死ぬと、毎回その日の朝まで時間を巻き戻される問いう設定で、必死に脱走を試みたり、何とか仲間が死なないように努力したり、死ぬまで訓練を何回も繰り返して強くなったりしていく。

この設定のいいところは、主人公がいつどこで何度死んでもおかしくないということで、映画としては有り得ないくらい主人公はアッサリ死ぬし、死んでもストーリーは進行していく。

よく出来たジャンル映画

それ以外の個所も「オール・ユー・ニード・イズ・キル」は全く油断したところのない映画で、アクションシーンの迫力や戦場のリアリティはさすがにSF大作として不満はない出来だし、主人公がタイムループするというかなりフィクショナルな設定であるにも関わらず、各種設定の説明や紹介の仕方も上手い、またシナリオも結構複雑な内容だと思うのだが、非常に上手くまとまっている。

ということは凄くいい映画なんですね!と言われると、その通りではあるのだが、問題は"タイムループ系のジャンル映画"として凄いちゃんと出来てるということである。

どういうことかというと前述の通り、タイムループというアイデアは映画でも小説でも目新しいものではなく、むしろクラシックな部類のアイデアである。

そのためそこにプラスアルファの要素、なにがしかの新しさ、フレッシュさがないと、どれほどちゃんと出来ていてとしても過去の焼き直しにかならず、どうしても印象が薄くなってしまい、見ている間は楽しいのだけども後に何も残らないという結果になってしまいがち。

それが「オール・ユー・ニード・イズ・キル」の最大の欠点で、それ故にお勧めするには相手を選ぶが、そこに納得できるならかなりお勧めは出来る映画である。

オール・ユー・ニード・イズ・キル(吹替版)

オール・ユー・ニード・イズ・キル(吹替版)

 

*1:分かりやすいがバカみたいなタイトルになったな

*2:桜坂洋All You Need Is Kill集英社スーパーダッシュ文庫〉 ISBN 4-08-630219-5

*3:他には「ミッション:8ミニッツ」「LOOPER」など

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