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映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

クロニクル:青春物としても超能力物としても高い完成度

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危うくDVDスルーされかけた名作「クロニクル」

この「クロニクル」アメリカではスマッシュヒットしたらしいが、日本では危うくDVDスルー*1されかけていた作品で、本国でのヒットを受けてか日本でも劇場公開されたものの、少数の映画館で短期間しか公開されないという初期の北野映画のような扱い*2で、自分もタイミングが合わずDVDでしか観賞できていない。 

そこはかとなく漂うB級臭

「クロニクル」はかなりの低予算映画として知られており制作費は約10億円、邦画だと10億円というのは予算規模が大きい方だが、映画大国アメリカではこの規模でも低予算映画のカテゴリにはいる。

しかもその10億円はほとんど後半のCGに投下されており、前半は比較的普通の学園モノとしてストーリーが進行していくのだが、画面がなにか古い。

そこら辺が低予算映画の安っぽさとして嫌な人もいるだろうけど、個人的には「昔のアメリカ製B級映画」っぽい感じ*3がして何か懐かしさをおぼえてしまい、むしろ好印象という奇跡が自分の中では起こっていたので無問題。

「学園青春映画」であり「超能力物」でもある

この「クロニクル」は「超能力モノ」と「学園青春モノ」の2つの要素で成り立っており、そのいずれもが高水準でまとめられているのが凄い偉い。

主人公アンドリューは不幸な家庭に育った友人もいない内気な少年で、そのアンドリューに仲間が出来る過程とその喜びを「青春映画」タッチで爽やかに描き、そしてそれすら信じることが出来なくなったアンドリューの暴走と破壊を「超能力物」として圧倒的に描いている、特にアンドリューの”力”が開放される瞬間のカタルシスが素晴らしい。

POV形式の必然性による相乗効果

加えて「クロニクル」は「ブレアウィッチ・プロジェクト」や「パラノーマル・アクティビティ」のようなPOV形式*4で撮影されいるため、自然に感情移入しやすい構造になっており、しかもPOV形式であることより、CGの粗が自然に目立たなくなっていて、学園青春映画であり低予算の超能力映画でもあるという難題に完全にアイデアで勝利しているという実に考えぬかれた構成にも関心する。

さらに、手持ちカメラを超能力で操っているという設定であるため、カメラアングルに制限が課せられがちなPOV形式の制約をも極自然にクリアできるという頭の良さ!

この低予算だけどアイデアで勝負するという、B級映画・低予算映画の醍醐味も感じられてとにかくスキがない。

しかも上映時間が短い、ステキ!

しかも学園モノとして、結構丁寧に友人と仲良くなる過程を描いていながら、上映時間は85分という短さ!

おそらく制作費が無いっていう事情もあるんだろうけれども、せっかく出来が良いのに無駄なシーンがあるせいで、落とさなくても良い評価を落とす作品も散見されるなか、この長さでまとめたのは偉い。

 

映画『クロニクル』オフィシャルサイト

*1:日本では劇場未公開でDVDでだけ発売される映画のこと

*2:このせいで劇場で観れなかった北野映画は多い

*3:グーニーズ」とか…

*4:手持ちカメラなどによる主観視点で構成される映画、他には「エンド・オブ・ウォッチ」など

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