映画忘備録

映画を見た感想を、ひたすらメモっていくブログです。

悪の法則:序盤の10分を”カッコいい”と思えるかどうかに全てがかかっている

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 「悪の法則」はリドリー・スコット監督による、麻薬取引に手を出した弁護士夫婦が滅亡していく様子を描いた作品で、出演者がマイケル・ファスベンダーブラッド・ピットキャメロン・ディアスペネロペ・クルスハビエル・バルデムと、豪華キャストを揃えた映画である。

脚本「コーマック・マッカーシー

「悪の法則」の脚本は小説家の「コーマック・マッカーシー」が本作のために書き上げたもので、コーマック・マッカーシーといえば「ノーカントリー*1」の原作小説*2を書いた小説家なのだが、この「悪の法則」も「ノーカントリー」と通底したテーマの作品といえる。

ちなみに「ノーカントリー」には「悪の法則」に出演しているハビエル・バルデムもシガーという超インパクトのある悪役で出演していてお勧め。

物凄く内容が説明し難い映画

 「悪の法則」は内容の説明やその魅力を言葉で伝えるのが非常に難しい作品で、それが良いところであり悪いところでもある、なぜ言葉で伝えるのが難しいのかというと、それは「悪の法則」という映画の魅力がまさに映画的なものだからで、言ってしまえば映画そのもの以外で魅力を説明し難い作品だからだ。

期待の高い作品だったが、結果は賛否両論に

内容が語りにくい理由はそれだけではなく、意図的に前半の展開がかなり緩いとか、セリフがイチイチ抽象的だとか、起こった出来事に対する説明がほとんどなされないとか、どちらかというとむしろ映画の内容を理解して欲しくないかのような作りになっている。

その結果、リドリー・スコットの新作で豪華キャストで、脚本がコーマック・マッカーシー書き下ろしという理由で、かなり期待値が高かった*3のだが、世界的に興行も振るわず*4、内容に対する評価も賛否が極端に分かれるという結果になった。

画面がメチャクチャカッコいい!

という訳で物凄く人を選ぶ作品であることは確実なのだが、個人的には最初のチーターのハンティングを観察しているシーンで既に引き込まれていた。

内容が内容なのでしょうがないのだが「悪の法則」 の感想では、伏線やストーリーやその解釈についてばかりが語られ、その画面のカッコよさ美しさについてはあまり触れられることはない。

しかしながら「悪の法則」の画面構成や色使いのカッコよさは尋常ではなく、どことなく北野映画を思わせるくらいで、この映画の”雰囲気”とでもいうべきものは確実にこの作品の魅力だ。

逆に言うと抽象的・哲学的なセリフから、説明なしで起こる出来事の数々なども含めて、この映画の”雰囲気”というものに魅力を感じなければ、ただ単に哲学的なセリフをカッコ良さげに並べ立てているだけのパッと見はオシャレな映画という感想しか抱かなかったとしても、それは別段不思議ではない。

 

映画『悪の法則』オフィシャルサイト

*1:2007年製作、コーエン兄弟監督による第80回アカデミー賞作品賞受賞作

*2:『血と暴力の国』(原題: No Country for Old Men, 扶桑社ミステリー文庫)

*3:このキャスト陣で分かりやすいエンターティメントじゃない映画を撮るとは誰も思ってなかった

*4:世界興行7,000万ドル、でも実は制作費が2,500万ドルなのでいうほどコケたということもない

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